2007年02月25日
第11回報告
第11回研修会(2.24) テープ提供者コメント:麦田弘子
【判定結果】
上―下 1名 (テスター①)
中-上 2名 (テスター②)
中―中 4名 (テスター② 若葉① モヤシ①)
【テープ提供理由】
上級の「兆し」とはどんな形で出てきて、どう指導すれば上級への道を示せるのか折々考えていたが、このテープは、一つの話題に関して細かくタスクを与えた結果、「兆し」のいくつかの形を見出すことができた。そういう意味で、私にとっては、今後の教室作業につながるテープになった。
【討論内容】
判定評価が分かれた要因は、インタビュイーの発話内容と、発話状況とのアンバランスが大きかったことにある。このインタビュイーは、初級でならった基本文型を使って、一問一答式に慎重に答える傾向があったため、テスターは、話を促すべく細かくタスクを与えて行った結果、連文か単純な複文を使って、簡単な叙述、描写ができて上級への兆しが認められた。文法的にも、テンスを含めて大きな文法上の誤りは見られかった。しかし、発話途中でのポーズ、繰り返し、自己訂正が多く見られたため、発話内容と流暢さにアンバランスが見られた時は、どちらを重視するかが問題になった。
ロールプレイは中級用と上級用を2本行なった。中級用は達成できたが、上級用は意外な対応をして達成の判定がむずかしかった。中級が確定していて、上級との差を判定するには上級用2本の方が適当というアドバイもあった。
********************************
テープ提供者:堤良一
【テープ提供理由】
普段から判定が難しいであろうと思われる被験者にどれほど”うまい”OPIが出来るかに挑んだ。
結果として、ある程度固定したスタイルのインタビューをすることによって、
被験者の能力をある程度測ることに成功していると考える。
【判定】
上-下 5(若葉1)
上-中 2
上-上 1(もやし)
麦田氏のテープの被験者と同様、一問一答形式で答えていく話者で、
しかも発話と発話の間のポーズが異様に長いために流暢さに欠けるというような評価になった。
また超級への突き上げに対しては、言っていることが理路整然とまとめられていないために、
聞いていると混乱を引き起こすという意見が多く見られた。
【判定結果】
上―下 1名 (テスター①)
中-上 2名 (テスター②)
中―中 4名 (テスター② 若葉① モヤシ①)
【テープ提供理由】
上級の「兆し」とはどんな形で出てきて、どう指導すれば上級への道を示せるのか折々考えていたが、このテープは、一つの話題に関して細かくタスクを与えた結果、「兆し」のいくつかの形を見出すことができた。そういう意味で、私にとっては、今後の教室作業につながるテープになった。
【討論内容】
判定評価が分かれた要因は、インタビュイーの発話内容と、発話状況とのアンバランスが大きかったことにある。このインタビュイーは、初級でならった基本文型を使って、一問一答式に慎重に答える傾向があったため、テスターは、話を促すべく細かくタスクを与えて行った結果、連文か単純な複文を使って、簡単な叙述、描写ができて上級への兆しが認められた。文法的にも、テンスを含めて大きな文法上の誤りは見られかった。しかし、発話途中でのポーズ、繰り返し、自己訂正が多く見られたため、発話内容と流暢さにアンバランスが見られた時は、どちらを重視するかが問題になった。
ロールプレイは中級用と上級用を2本行なった。中級用は達成できたが、上級用は意外な対応をして達成の判定がむずかしかった。中級が確定していて、上級との差を判定するには上級用2本の方が適当というアドバイもあった。
********************************
テープ提供者:堤良一
【テープ提供理由】
普段から判定が難しいであろうと思われる被験者にどれほど”うまい”OPIが出来るかに挑んだ。
結果として、ある程度固定したスタイルのインタビューをすることによって、
被験者の能力をある程度測ることに成功していると考える。
【判定】
上-下 5(若葉1)
上-中 2
上-上 1(もやし)
麦田氏のテープの被験者と同様、一問一答形式で答えていく話者で、
しかも発話と発話の間のポーズが異様に長いために流暢さに欠けるというような評価になった。
また超級への突き上げに対しては、言っていることが理路整然とまとめられていないために、
聞いていると混乱を引き起こすという意見が多く見られた。
2006年12月07日
第10回報告
知らないうちにもう10回もやっていました・・・。
これも偏にご参加の皆様の暖かいご協力の賜です。
懇親会、教室確保、事務連絡、その他の業務に携わっていただいている
皆様、ここに記して厚く御礼申し上げます。
ではご報告を・・・。
****************************
<テーマ> 『 私の Good OPI 』
<日時> 10月14日(土)
12:30 受付
13:00 ~ 14:20 テープ① 田中葉子さん
14:30 ~ 15:50 テープ② 福田倫子さん
16:00 ~ 17:20 テープ③ 井上敦子さん
17:30 ~ 17:40 連絡事項
18:15前後~ 懇親会(会場未定)
<場所> 岡山大学
************************************
テープ①田中葉子
判定結果
上-上 3(非テスター1含) 上-中 5 上-下 1
テープ提供の理由
・ インタビュアーの発話を少なくし、インタビュイーの話から話題展開が比較的うまくできたと感じた。
・上級レベルが確定できた段階で、超級レベルへの突き上げがトリプルでできていた。
討論内容
私も感じていたことですが、「上-中」の幅がとても広いという話が出ました。その中で、「上-中」であるためには,ある程度の抽象的な語彙と、複段落が見られることが必要だと言うところから、「「複段落」とは何か」ということが議論になりました。
最近、「上級レベルは,突き上げがなくても、上級タスクがどの程度できているかで下位レベルが決まる」という考え方があるという話も出ました。そういう点で言うと、今回は一つの話題についての上級タスクが少なかったと思われます。しかし、今までの「上級レベルは上級のタスクができて当たり前で、一つ上のレベルのタスクがどれだけ達成できるかで下位レベルが決まる」という考え方とは異なるため、今後のインタビューの方法がどうなるのか、という点についても議論になりました。
テープ② 福田倫子
【判定結果】
超級 7(含 非テスター1名)
上-上 2
【テープ提供の理由】
・インタビュイーの発話が非常に流暢であり、そういった意味で「Good OPI」だと考えた。
・超級だと考えられるが、お墨付きをもらっていないので、判定をしてほしい。
【討論内容】
・ 「上-上」と判断された理由は、いわゆる「敬語」がみられなかったこと、アクセントが適切でない部分があったこと(例:欠けてる(頭高))、であった。しかし、平易な表現で抽象的な内容を説明することができる点、まず要点を述べてから詳細な説明に移るなど論の展開が適切な点、談話展開をスムーズにする表現が適切にできる点(例: よく言えば~、確かに~だと思うが)等から総合的に超級だと判断された。
・インタビュイーのおはこに近いトピックが多かった。特にロールプレイ(子どもに対する英語教育について)は、言語学を専門とするインタビュイーにとって身近な話題であった。
・ロールプレイの役割の与え方として、インタビューを受ける側ではなく、インタビューをさせる司会者側にすれば、敬語が出たのではないか。
・トリプルパンチでアドバイスを与えるタイプは仮説としては中途半端。単純な内容になってしまい、抽象レベルに上げづらい。
テープ③井上敦子
判定結果 (テスター:非テスター)
中の中(2:1) 中の上(6:1)
[テープ提供の理由]
・比較的段階を追ってインタビューができている。また、テープ提供者の弱点だった話題の提出の仕方も自然な形でできている。
・テープ提供者が課題にしていたロールプレーで、被験者の力を引き出すことができている。
[討論内容]
中の中としたテスター・非テスターからは、たくさん話しているが、文の質が悪く、中
の上のレベルに達しているとは言いがたいという意見が出た。
また、中の上としたテスター・非テスターからは、一つ一つの文の質は良くないものの
文を強引に(モザイクのように)組み合わせて、タスクを達成している場合が多いという意見が出た。ロールプレーはホテルでシャワーがでなくなった、という上級のものだったが、そのできも悪くなく中の上の力はあるという判定だった。
文の質、タスクの達成度など、どの要素に重点をおいて判定するかで議論が分かれた。
これも偏にご参加の皆様の暖かいご協力の賜です。
懇親会、教室確保、事務連絡、その他の業務に携わっていただいている
皆様、ここに記して厚く御礼申し上げます。
ではご報告を・・・。
****************************
<テーマ> 『 私の Good OPI 』
<日時> 10月14日(土)
12:30 受付
13:00 ~ 14:20 テープ① 田中葉子さん
14:30 ~ 15:50 テープ② 福田倫子さん
16:00 ~ 17:20 テープ③ 井上敦子さん
17:30 ~ 17:40 連絡事項
18:15前後~ 懇親会(会場未定)
<場所> 岡山大学
************************************
テープ①田中葉子
判定結果
上-上 3(非テスター1含) 上-中 5 上-下 1
テープ提供の理由
・ インタビュアーの発話を少なくし、インタビュイーの話から話題展開が比較的うまくできたと感じた。
・上級レベルが確定できた段階で、超級レベルへの突き上げがトリプルでできていた。
討論内容
私も感じていたことですが、「上-中」の幅がとても広いという話が出ました。その中で、「上-中」であるためには,ある程度の抽象的な語彙と、複段落が見られることが必要だと言うところから、「「複段落」とは何か」ということが議論になりました。
最近、「上級レベルは,突き上げがなくても、上級タスクがどの程度できているかで下位レベルが決まる」という考え方があるという話も出ました。そういう点で言うと、今回は一つの話題についての上級タスクが少なかったと思われます。しかし、今までの「上級レベルは上級のタスクができて当たり前で、一つ上のレベルのタスクがどれだけ達成できるかで下位レベルが決まる」という考え方とは異なるため、今後のインタビューの方法がどうなるのか、という点についても議論になりました。
テープ② 福田倫子
【判定結果】
超級 7(含 非テスター1名)
上-上 2
【テープ提供の理由】
・インタビュイーの発話が非常に流暢であり、そういった意味で「Good OPI」だと考えた。
・超級だと考えられるが、お墨付きをもらっていないので、判定をしてほしい。
【討論内容】
・ 「上-上」と判断された理由は、いわゆる「敬語」がみられなかったこと、アクセントが適切でない部分があったこと(例:欠けてる(頭高))、であった。しかし、平易な表現で抽象的な内容を説明することができる点、まず要点を述べてから詳細な説明に移るなど論の展開が適切な点、談話展開をスムーズにする表現が適切にできる点(例: よく言えば~、確かに~だと思うが)等から総合的に超級だと判断された。
・インタビュイーのおはこに近いトピックが多かった。特にロールプレイ(子どもに対する英語教育について)は、言語学を専門とするインタビュイーにとって身近な話題であった。
・ロールプレイの役割の与え方として、インタビューを受ける側ではなく、インタビューをさせる司会者側にすれば、敬語が出たのではないか。
・トリプルパンチでアドバイスを与えるタイプは仮説としては中途半端。単純な内容になってしまい、抽象レベルに上げづらい。
テープ③井上敦子
判定結果 (テスター:非テスター)
中の中(2:1) 中の上(6:1)
[テープ提供の理由]
・比較的段階を追ってインタビューができている。また、テープ提供者の弱点だった話題の提出の仕方も自然な形でできている。
・テープ提供者が課題にしていたロールプレーで、被験者の力を引き出すことができている。
[討論内容]
中の中としたテスター・非テスターからは、たくさん話しているが、文の質が悪く、中
の上のレベルに達しているとは言いがたいという意見が出た。
また、中の上としたテスター・非テスターからは、一つ一つの文の質は良くないものの
文を強引に(モザイクのように)組み合わせて、タスクを達成している場合が多いという意見が出た。ロールプレーはホテルでシャワーがでなくなった、という上級のものだったが、そのできも悪くなく中の上の力はあるという判定だった。
文の質、タスクの達成度など、どの要素に重点をおいて判定するかで議論が分かれた。
2006年10月17日
第九回報告
< テ-プ 1 > 提供者 吉田理恵 ( 長船日本語学院 )
① テ-プ提供理由
・ 全体を通して、能力の限界まで発話を引き出すことができている。
・ 具体的なさまざまな話題について、自由回答型の質問を沢山繰り返し、
突き上げやレベルチェックができている。
② 判定結果 ( テスタ- : 非テスタ- )
中の下 ( 2 : 1 ) 中の中 ( 6 : 1 )
③ 討論内容
・ 判定について
全体的に短い文を用いることが多いものの、一問一答型ではなく複数文で話し、
その分量は中の中の話者としてのレベルに達している。
発音や正確さについては、母語話者でない人に慣れている好意的な相手には
理解してもらえる程度と考えられる。
後半にかけては、内容や発話の構成が上へのきざしを感じさせる部分もあり、
自発性もみられる。
・ インタビュ-技術についての問題点
被験者の発話を引き出すために、被験者が興味のある内容、さらには被験者が話したい内容を
話題にしていることについて、中級レベルでは問題ないと考えられるが、上級、超級の被験者に対しては、会話の主権を与えないようにしなければならない。
当然のことながら、被験者のレベルにあった対応が重要である。
④ 最終判定 中の中
以上
テープ②尾崎奈津氏
-まとめ-
超級 8(うち非テスター1)
上-上 2(うち非テスター1)
テープ提供の理由:これはテープ提供者の個人的な反省点であるが、被験者が上-
上~超級の場合、突き上げを急ぐあまり、上級のタスクである叙述・描写のチェック
を十分に行わないまま、抽象的な話題・議論に進んでしまうことがある。そうした場
合、当然インタビューは不安定なものとなる。その点、今回提出したテープは、部分
的にではあるが、中級から上級・超級へと段階を追って質問ができており、ある程度
安定した判定材料が引き出せているように思われた。
判定は超級と上-上に分かれた。超級としたテスター・非テスターからは、高度な
語彙が使われており、話の内容も高度であるが、発言があまりコンパクトでないこと
から超級といってもベースラインではないかという意見が出た。
また、上-上としたテスター・非テスターからは、抽象的な話題についてはかなり
話せているが、日常的な話題での叙述・描写が十分にできるのか、もう少し聞いてみ
たいという意見が出た。
これに関連して、上級レベルの叙述・描写よりもむしろ超級レベルの抽象的な議論
のほうが得意といった被験者をどう判定すればよいのかということが話題になった。
テープ③ 林 智子
被験者 中国人女性
超 3(テスター1 非テスター2)
上?上 5(テスター)
上?中 2(テスター)
(このテープを持ってきた理由)
成功テープを持ってくることとの指示だったが、そのようなものは私の場合存在しない以上、何らかの問題提起で貢献したいと思った。このテープは、被験者のペースで展開しているため、突き上げの弱さは否めないものの、それなりのインタビューの流れは作れているのではないか、被験者の自発的な展開を含む談話の中から、評価すべき能力がある程度抽出できているのではないか、今年3月の合宿の「それ以外の材料から判断できるものがあれば、トリプルパンチは必ずしも必要ではない」という報告を受けて、これもその場合に当たるのか、以上の点を参加者に判断してもらいたくてこのテープを持ってきた。
(参加者の声)上級?中以上という点では全員一致。非常に早口で流暢に話はするが、語彙の抽象性は低い、裏付けのある意見という観点からも弱い、自分の意見を述べているというより思考の引用が主、質問とはピントの外れた答えをしている部分もある、超級の話者なら、もっと簡潔に述べられるものだ、ロールプレーも敬語をチェックする目的でした方のできがあまり良くないのではないか、以上が、超級ではないという判定の理由。一方超級ベースラインと判定する側からは、非常に流暢でこなれた日本語を話し、ある種の論理性もある、発話量の豊富さは素晴らしい、中国人にとっては難しい和語が十分出ている、抽象性が低いというのは、聞き手により分かりやすく具体的に話すという職業上の親切心から来ているのではないか、自分で話し始めたことが完結できている、話題に対して逃げないで、自分なりに談話を構成している、ロールプレーもこの程度できていれば問題ない、インフォーマルの方は良くできている 等の意見が出た。インタビューの仕方としては被験者のペースに巻き込まれないで、テスターは途中で話を遮るとか、同意より対立姿勢で臨むべきだという亜w)モ見も出た。十八番の話題が多いのではないか、十八番の話題の答えの評価はどうするのか、自分で勝手に展開していった談話の評価はどうなるのか、これらの評価によって、今回のテープの判定が分かれたと考えられる。
上?上が妥当な判定といえるか。
2006年10月17日
2006年10月17日
2006年10月17日
第七回報告
●プログラム
--会--
日時 平成17年11月12日(土)13:00-17:30
会場 岡山大学一般教育棟D棟D218
12:30- 受付開始(その他の準備等も開始)
13:00-14:20 テープ① 森千枝見氏
14:30-15:50 テープ② 桜木ともみ氏
16:00-17:20 テープ③ 渡部倫子氏
17:20-17:30 事務連絡等
18:15前後- 懇親会
--懇親会--
日時 同日18:15前後-
会場 ロイヤルホテル
会費 3000円前後
●会費について
・関西OPI研究会あるいは日本語OPI研究会に所属している方:無料
どちらにも所属していない方:初回無料。
二回目以後はいずれかの会のメンバーになっていただくことを参加条件とします。
(ただし、日本語OPI研究会はテスターのみに入会資格を与えていますので、
実質上関西OPI研究会に入会していただくことになります。年会費:2000円(今
日現在))
※我々の会は、関西OPI研究会に準ずるという形をとっております。
関西OPI研究会では、初回の見学は無料ですが二回目以降の参加については会に入会
することを
条件にしています。何卒ご了承下さい。
なお、2月の会の段階ではこの件について何もアナウンスをしておりませんでしたの
で、
二月の会に参加された方も、今回に限り「初回参加」といたします。
●当日の運営費について
コピー代のみ実費をいただきます。
当日、配布する資料の枚数分×10円の代金をいただきます。
なお、当会では茶菓は一切用意しませんので、各自ご用意下さい。
テーマ「中級-上」
テープ① 渡部倫子
1.レイティングについては,典型的な「中級-上」という意見で一致した。
理由(1) 段落で発話する兆しが見えるが,「あのー」というフィラーやポーズが多い。
理由(2) 「料理」「ドラマ」「トランプ」の3つの話題のうち,「ドラマのストーリー」
「トランプのルール」の説明部においては,タスク達成とは言い難い。
理由(3) ロールプレイ「アルバイトを休む」については,理由を言って休むことは出来るが,
「どうして急に言うのか」という質問に対しては対処しきれない。
2.一日の出来事についての質問は,フロアを確定するためにも,中盤よりも序盤にするべきというアドバイスを得た。
3.テープでは,「中級-上」か「上級-下」で迷ったため,一番初めの話題で超級の突き上げ
「~についてどう思いますか」を行い,上限を測定した。この手法について議論がなされ,
「中級-上」か「上級-下」かを判断する際には有効なのではないかという意見が出た。
4.上級の突き上げを見直したいという意見が出た。話題によって説明・描写・比較に難易度の差があるのでは
ないか,話題を提示する順序や,質問のバリエーションを再考したい。
テープ②森千枝見氏
レベル:中級の上(マレー語母語話者,男性)
【レイティングについて】 認定ラウンドに提出したトレーナーのお墨付きテープ
【本人(森)の反省】
・突き上げが弱く,超級の質問がほとんどないために,「上級でない」というよりは 「中級としかいえない」
というテープになっている感が否めない
【参加者の意見等】
①テスターの技術
・テスターが質問を細かく投げかけるしてしまっているために,答える際に大きな段落を必要としないという
状態になっているのでは? ⇒対処法:「どんなNですか」「エピソードをはじめから終わりまで」というよ うに
全体を答える必要のある問にする
・話題が学校,家族に関するものばかりであるため,もっと広げる必要がある
②被験者のパフォーマンス
[文の型,段落について]→パフォーマンスにムラがあり,判定に迷う
良くない点
・助詞の脱落が多く,また単純な名詞の羅列による文で回答することがある
良い点
・説明においては,重要な部分をはじめに答え,順におって説明することが出来る
・単語の言い換え(説明)も出来ている > ・文はシンプルだが,ヴォイスの使用(授受補助動詞・受身等)がうまく,
短い 発話で要領を得ている答え方である
[話し方]
・発音が悪い。「普通の母語話者」が理解できるかどうか疑問であり,この点も上 級でないという
判断に関わるのでは
・フィラーが少なく,聞きづらい。
・訥々と話す。
[ロールプレイ](上級:学校を休む許可をもらう)
・最低限の機能は果たしているが,「休まなければなりません」等の直接的な表現であり,社会言語学的には
問題がある。上級としてタスクを達成しているとはいえな い
テープ③ 桜木ともみ
被調査者:インドネシア語母語話者,女性
今回用いたテープは,「トレーナーのお墨付き<中-上>」でしたが,被験者の話し方の特徴やタスクが
達成したか否かについて多くのコメントがあり,レベルについて意見が分かれました。
この被験者の特徴について,「中-上」としての問題点として,主に以下のような 点が上がりました。
・自発的に発話を続けるが,自分で話を終わらせることが困難
・複文は決まりきった表現が多く,バラティーに乏しい
例えばテ形接続や,「~ので,~」「それから」 >
・料理の説明では語彙が豊富なため説明が分かるが道順やドラマの説明は分かりにくい
以上の特徴について,「中級-上」と判定するための着目点が問題となりました。特に,話が途中で分からなくなったり
文法的な間違いが多いことを見ると,「中- 中」ではないかという意見がありましたが,
同時に自発的に発話を続けて間違っているため,質問に答えた部分で判定するべきだとする意見も出ました。
このような「おしゃべりなタイプ」の対策としては,最後まで文がきちんと言えるかどうか,話題をまとめられるかを
確認できる話題やタスクを扱うということが提案 されました。例えば,RPなどでタスクを達成するために,話題を自分
で始めて自分で 終わらせる必要のあるタスクを選ぶ,などが考えられます。今回の被験者に対して も,
複数の方法でタスクが達成できているかどうかの確認を行っていれば,判定の際に役立ったと思いました。
--会--
日時 平成17年11月12日(土)13:00-17:30
会場 岡山大学一般教育棟D棟D218
12:30- 受付開始(その他の準備等も開始)
13:00-14:20 テープ① 森千枝見氏
14:30-15:50 テープ② 桜木ともみ氏
16:00-17:20 テープ③ 渡部倫子氏
17:20-17:30 事務連絡等
18:15前後- 懇親会
--懇親会--
日時 同日18:15前後-
会場 ロイヤルホテル
会費 3000円前後
●会費について
・関西OPI研究会あるいは日本語OPI研究会に所属している方:無料
どちらにも所属していない方:初回無料。
二回目以後はいずれかの会のメンバーになっていただくことを参加条件とします。
(ただし、日本語OPI研究会はテスターのみに入会資格を与えていますので、
実質上関西OPI研究会に入会していただくことになります。年会費:2000円(今
日現在))
※我々の会は、関西OPI研究会に準ずるという形をとっております。
関西OPI研究会では、初回の見学は無料ですが二回目以降の参加については会に入会
することを
条件にしています。何卒ご了承下さい。
なお、2月の会の段階ではこの件について何もアナウンスをしておりませんでしたの
で、
二月の会に参加された方も、今回に限り「初回参加」といたします。
●当日の運営費について
コピー代のみ実費をいただきます。
当日、配布する資料の枚数分×10円の代金をいただきます。
なお、当会では茶菓は一切用意しませんので、各自ご用意下さい。
テーマ「中級-上」
テープ① 渡部倫子
1.レイティングについては,典型的な「中級-上」という意見で一致した。
理由(1) 段落で発話する兆しが見えるが,「あのー」というフィラーやポーズが多い。
理由(2) 「料理」「ドラマ」「トランプ」の3つの話題のうち,「ドラマのストーリー」
「トランプのルール」の説明部においては,タスク達成とは言い難い。
理由(3) ロールプレイ「アルバイトを休む」については,理由を言って休むことは出来るが,
「どうして急に言うのか」という質問に対しては対処しきれない。
2.一日の出来事についての質問は,フロアを確定するためにも,中盤よりも序盤にするべきというアドバイスを得た。
3.テープでは,「中級-上」か「上級-下」で迷ったため,一番初めの話題で超級の突き上げ
「~についてどう思いますか」を行い,上限を測定した。この手法について議論がなされ,
「中級-上」か「上級-下」かを判断する際には有効なのではないかという意見が出た。
4.上級の突き上げを見直したいという意見が出た。話題によって説明・描写・比較に難易度の差があるのでは
ないか,話題を提示する順序や,質問のバリエーションを再考したい。
テープ②森千枝見氏
レベル:中級の上(マレー語母語話者,男性)
【レイティングについて】 認定ラウンドに提出したトレーナーのお墨付きテープ
【本人(森)の反省】
・突き上げが弱く,超級の質問がほとんどないために,「上級でない」というよりは 「中級としかいえない」
というテープになっている感が否めない
【参加者の意見等】
①テスターの技術
・テスターが質問を細かく投げかけるしてしまっているために,答える際に大きな段落を必要としないという
状態になっているのでは? ⇒対処法:「どんなNですか」「エピソードをはじめから終わりまで」というよ うに
全体を答える必要のある問にする
・話題が学校,家族に関するものばかりであるため,もっと広げる必要がある
②被験者のパフォーマンス
[文の型,段落について]→パフォーマンスにムラがあり,判定に迷う
良くない点
・助詞の脱落が多く,また単純な名詞の羅列による文で回答することがある
良い点
・説明においては,重要な部分をはじめに答え,順におって説明することが出来る
・単語の言い換え(説明)も出来ている > ・文はシンプルだが,ヴォイスの使用(授受補助動詞・受身等)がうまく,
短い 発話で要領を得ている答え方である
[話し方]
・発音が悪い。「普通の母語話者」が理解できるかどうか疑問であり,この点も上 級でないという
判断に関わるのでは
・フィラーが少なく,聞きづらい。
・訥々と話す。
[ロールプレイ](上級:学校を休む許可をもらう)
・最低限の機能は果たしているが,「休まなければなりません」等の直接的な表現であり,社会言語学的には
問題がある。上級としてタスクを達成しているとはいえな い
テープ③ 桜木ともみ
被調査者:インドネシア語母語話者,女性
今回用いたテープは,「トレーナーのお墨付き<中-上>」でしたが,被験者の話し方の特徴やタスクが
達成したか否かについて多くのコメントがあり,レベルについて意見が分かれました。
この被験者の特徴について,「中-上」としての問題点として,主に以下のような 点が上がりました。
・自発的に発話を続けるが,自分で話を終わらせることが困難
・複文は決まりきった表現が多く,バラティーに乏しい
例えばテ形接続や,「~ので,~」「それから」 >
・料理の説明では語彙が豊富なため説明が分かるが道順やドラマの説明は分かりにくい
以上の特徴について,「中級-上」と判定するための着目点が問題となりました。特に,話が途中で分からなくなったり
文法的な間違いが多いことを見ると,「中- 中」ではないかという意見がありましたが,
同時に自発的に発話を続けて間違っているため,質問に答えた部分で判定するべきだとする意見も出ました。
このような「おしゃべりなタイプ」の対策としては,最後まで文がきちんと言えるかどうか,話題をまとめられるかを
確認できる話題やタスクを扱うということが提案 されました。例えば,RPなどでタスクを達成するために,話題を自分
で始めて自分で 終わらせる必要のあるタスクを選ぶ,などが考えられます。今回の被験者に対して も,
複数の方法でタスクが達成できているかどうかの確認を行っていれば,判定の際に役立ったと思いました。
2006年10月17日
第五回報告
-プログラム-
12:30- 受付開始(その他の準備等も開始)
13:00-14:20 テープ① 堤良一
上-上5(うち非テスター3)
上-中5(うち非テスター2)
上-下1
どのような質問にもまっすぐ答えないタイプの話者であり、
発話の量が多い割に判定材料に使いにくい発話が多いということが問題になった。
このような話者を判定する際には、「~の部分はできていた」という
判断がテスターによってかなり異なることが明らかになり、
それには、テスターの日頃相手にしている学習者のレベルや、
教育の信念などが強く影響することが問題となった。
また、このように判定に迷う場合、サブレベル-中というのは、
よい駆け込み寺のように使われがちであり、それは決して望ましいことではない。
ロールプレイについては、「お笑い芸人の事務所に電話して、
学園祭に来てもらうように交渉する」という類のものであったが、
このようなタスクを遂行するための、談話構成に関するテスターの
信念が微妙に異なっており、それによって被験者のパフォーマンスを
どのように判定するかが揺れた。
そもそも、どのような手順で依頼を行うかということは、日本という文化に
根ざした問題であり、この点をどの程度考慮すべきかは問題となろう。
いずれにしても、最終的な判定は上-中であるということで落ち着いた。
14:30-15:50 テープ② 林智子氏
テープ② 林 智子
超 1(非テスター)
上?上 6(非テスター2)
上?中 2(非テスター1)
上?下 1(テスター)
中?上 1(非テスター)
(このテープを持ってきた理由)
ロールプレーするまでに、超級は難しいと判断できる場合でも、フォーマル・インフォーマルチェック両方しなければ一切判定不可能となるのか その点もふくめ参加者に判断してもらいたくてこのテープを持ってきた。
(参加者の声)全員、このテープにおいては判定可能と判断。ただ、正式な判定では、特に上?上以上と判定するためには、現在はフォーマル・インフォーマルチェックをしなければならないとされているとのこと。
超級ベースラインにおける正確性の問題が再び問題となった。また、文法的な正確性の捉え方によって、今回も中級から超級まで判定が分かれた。
この被験者の場合、正確性においては、パターン化した誤りも見られるが、全体として談話構成能力に非常に優れており、仮説の展開などに多少不十分さは見られるが、明らかなブレークダウンが見られない。自分で始めた話が、多少広がりにかけるものの、きちっとした形で完結できている。よって、上級?上の判定
(十八番の話題について)
この被験者の場合、トリプルパンチに使われた話題「動物実験」についても、仮説展開に使われた話題「教育問題」も、いわば十八番の話題ではなかったか。十八番の話題とはどういうものをさすのか が問題となった。
専門領域の話題は超級の話題として認められる。十八番とは、常にそれを日本語で話す環境の話題という意味で、余り広くとらえるべきではない。
16:00-17:30 テープ③ 麦田弘子氏
第5回研修会(5.28) テープ提供者コメント:麦田弘子
【判定結果】
中-中 9 (うち非テスター4)
中-下 2 (うち非テスター1)
【テープ提出理由】
インタビュー後、中―中と判定していたが、ロールプレイで、切り出しや依頼に
不適切な表現使用が見られ、達成度は辛うじて中級という程度であった。
このようにインタビュー部分と、ロールプレイの達成度に差がある場合どう判断すればいいのか迷った。また、この被験者へのフィードバックとしてどのようなことがあげられるか聞きたかった。
【参加者の声から】
ロールプレイのために判定が揺れるようなら、是非もう一つロールプレイをするべきであると指摘を受けた。また、この程度の語用論的間違いは、このレベルではそれほど問題ではなく、タスクの達成度はそれほど低くはないという意見もあった。また、突き上げが多すぎて、もっと被験者が楽に話せるレベルの質問を増やすべきであると指摘された。それは、この被験者はテスターが教えている学生で、意図的にではないが、日頃の彼の関心事などを考慮した質問が多かったためである。なじみのある人を被験者にした時は注意しなければならないと思った。判定は中-中で落ち着いた。
17:30-17:40 事務連絡等
場所:岡山大学大学院文化科学研究科系総合研究棟2F演習室3
12:30- 受付開始(その他の準備等も開始)
13:00-14:20 テープ① 堤良一
上-上5(うち非テスター3)
上-中5(うち非テスター2)
上-下1
どのような質問にもまっすぐ答えないタイプの話者であり、
発話の量が多い割に判定材料に使いにくい発話が多いということが問題になった。
このような話者を判定する際には、「~の部分はできていた」という
判断がテスターによってかなり異なることが明らかになり、
それには、テスターの日頃相手にしている学習者のレベルや、
教育の信念などが強く影響することが問題となった。
また、このように判定に迷う場合、サブレベル-中というのは、
よい駆け込み寺のように使われがちであり、それは決して望ましいことではない。
ロールプレイについては、「お笑い芸人の事務所に電話して、
学園祭に来てもらうように交渉する」という類のものであったが、
このようなタスクを遂行するための、談話構成に関するテスターの
信念が微妙に異なっており、それによって被験者のパフォーマンスを
どのように判定するかが揺れた。
そもそも、どのような手順で依頼を行うかということは、日本という文化に
根ざした問題であり、この点をどの程度考慮すべきかは問題となろう。
いずれにしても、最終的な判定は上-中であるということで落ち着いた。
14:30-15:50 テープ② 林智子氏
テープ② 林 智子
超 1(非テスター)
上?上 6(非テスター2)
上?中 2(非テスター1)
上?下 1(テスター)
中?上 1(非テスター)
(このテープを持ってきた理由)
ロールプレーするまでに、超級は難しいと判断できる場合でも、フォーマル・インフォーマルチェック両方しなければ一切判定不可能となるのか その点もふくめ参加者に判断してもらいたくてこのテープを持ってきた。
(参加者の声)全員、このテープにおいては判定可能と判断。ただ、正式な判定では、特に上?上以上と判定するためには、現在はフォーマル・インフォーマルチェックをしなければならないとされているとのこと。
超級ベースラインにおける正確性の問題が再び問題となった。また、文法的な正確性の捉え方によって、今回も中級から超級まで判定が分かれた。
この被験者の場合、正確性においては、パターン化した誤りも見られるが、全体として談話構成能力に非常に優れており、仮説の展開などに多少不十分さは見られるが、明らかなブレークダウンが見られない。自分で始めた話が、多少広がりにかけるものの、きちっとした形で完結できている。よって、上級?上の判定
(十八番の話題について)
この被験者の場合、トリプルパンチに使われた話題「動物実験」についても、仮説展開に使われた話題「教育問題」も、いわば十八番の話題ではなかったか。十八番の話題とはどういうものをさすのか が問題となった。
専門領域の話題は超級の話題として認められる。十八番とは、常にそれを日本語で話す環境の話題という意味で、余り広くとらえるべきではない。
16:00-17:30 テープ③ 麦田弘子氏
第5回研修会(5.28) テープ提供者コメント:麦田弘子
【判定結果】
中-中 9 (うち非テスター4)
中-下 2 (うち非テスター1)
【テープ提出理由】
インタビュー後、中―中と判定していたが、ロールプレイで、切り出しや依頼に
不適切な表現使用が見られ、達成度は辛うじて中級という程度であった。
このようにインタビュー部分と、ロールプレイの達成度に差がある場合どう判断すればいいのか迷った。また、この被験者へのフィードバックとしてどのようなことがあげられるか聞きたかった。
【参加者の声から】
ロールプレイのために判定が揺れるようなら、是非もう一つロールプレイをするべきであると指摘を受けた。また、この程度の語用論的間違いは、このレベルではそれほど問題ではなく、タスクの達成度はそれほど低くはないという意見もあった。また、突き上げが多すぎて、もっと被験者が楽に話せるレベルの質問を増やすべきであると指摘された。それは、この被験者はテスターが教えている学生で、意図的にではないが、日頃の彼の関心事などを考慮した質問が多かったためである。なじみのある人を被験者にした時は注意しなければならないと思った。判定は中-中で落ち着いた。
17:30-17:40 事務連絡等
場所:岡山大学大学院文化科学研究科系総合研究棟2F演習室3
2006年10月17日
第四回報告
●第4回目の報告
参加者の方々、お疲れさまでした。報告をアップします。
中四国在住以外の方も是非ご参加お待ちしております。
日 平成17年1月20日(土)
時 午後13時00分から17:30まで
場所 岡山大学文法経済学部棟1号館3-1教室
岡山大学へのアクセスは岡電バスで。
●プログラム
--会--
日時 平成16年1月20日(土)13:00-17:30
会場 岡山大学文法経済学部棟1号館3-1教室
12:30- 受付開始(その他の準備等も開始)
13:00-14:20 テープ① 尾崎奈津氏
14:30-15:50 テープ② 井上敦子氏
16:00-17:30 テープ③ 石田久美子氏
17:30-17:40 事務連絡等
18:15前後- 懇親会
--懇親会--
日時 同日18:15前後-
会場 日本料理「温石」
会費 4000円~5000円程度(料理+飲み物)
**********************************************
会報告
参加者 12名
テープ①尾崎奈津氏
上-中 2(テスター)
上-下 2(テスター)、3(非テスター)
中-上 4(テスター)、1(非テスター)
非常に流暢に話せている部分と発話の質がかなり落ちる部分とが混在したテープで
あり、判定も上級と中級とに大きく分かれた。
上級としたテスターおよび非テスターからは、“テンス・アスペクトの管理が十分
できており、語彙も豊富である。段落も十分維持できているといってよいのではない
か。”といった意見が出た。一方、中級としたテスターおよび非テスターからは、
“映画のストーリー説明の部分で、動詞が辞書形の羅列になる、言いよどみが多くな
るなど、発話の質が極端に落ちる。段落を十分維持できているとは言いがたいのでは
ないか。”などの意見が出た。
以上のように判定が分かれた背景には、インタビューの不備があったのではないか
というのがテープ提供者の反省点であるが、これについては、突き上げで意見を求め
る際に、さらに反論をぶつけてみて、超級への突出がどの程度あるかを明確にするな
どの工夫が必要だったのではないかというコメントがあった。
テープ②井上敦子氏(coming soon)
●第4回目の報告
テープ②井上敦子
*判定結果 超級 上級―上 上級―中
テスター 0 7 1
わかば 1 1 0
もやし 1 3 0
判定理由
上―中 文が長く、論理性に欠ける。抽象的な問題を具体的に話している。(抽象的な話し方ができていない。)
上―上 質問に対してある程度まとまった段落で答えることができ、流暢さもあるが、文が長く、段落としての結束性に欠ける。
文法的ミスの量が多く超級とは言えない。
はっきりした形で仮説が言えていない。
ロールプレー①敬語の出来が不十分
ロールプレー②幼児への対応は全くできていない。
ロールプレー③インフォーマルな話し方が完全にはできていない。
⇒スピーチスタイルを変えることができない。
超級 幼児への対応は特にできていなくても超級と判断できる、と思って超級とした。
(※必要不可欠ではない。スピーチスタイルが変えられたらよい。)
インタビューの仕方
・ テスターの説明が不必要に長いところがあった。
・ 仮説が明確に言えるような質問をすべきだった。
・ 話が長いので、テスターが途中でさえぎってチェックをするための質問をすべきだった。
話し合いの中で出てきた問題
<理想的な話し方>
・ OPIの超級とはOPIが設定した理想的は話し方であり、必ずしも日本の社会で要求される「理想的な話し方」とは言えないかもしれない。
・ ネイティブだからといってOPIでいう「理想的な話し方」ができているとは限らない。現に
最近では大学でも「話し方」を訓練するための授業をするところがある。
<超級で要求されるレベル>
・ 超級で要求されるレベルについて「『教養ある母語話者』」が話すレベル」までを要求
しない、という確認があったとの報告があり、ベースラインの超級の条件を確認すべき
であるとの指摘がなされた。
テープ③石田久美子氏(coming soon)
ブラッシュアップセッション 1月17日 石田久美子 (愛媛学園)
被験者:フランス人女性、英語教師、在日26年、自然習得型
レイティング:
☆中―上 テスター2 わかば1、
☆中-中 テスター4 わかば1 もやし2
☆中-下 もやし2
☆初-上 テスター1
提出理由:正確さには問題があるが、日本語らしい表現も使いこなし、どんな話題にもそれなりに対応してしまう。自然習得型によく見られるタイプだが、タスクが達成されたとみなすかどうかでテスター間の評価が割れる場合がある。この点について話せるテープ。
単語レベルではなく文レベルで、発話量は多い。しかしほとんど上級レベルで維持が出来ていないだけと言うほどのものではない→中―中
以上。
参加者の方々、お疲れさまでした。報告をアップします。
中四国在住以外の方も是非ご参加お待ちしております。
日 平成17年1月20日(土)
時 午後13時00分から17:30まで
場所 岡山大学文法経済学部棟1号館3-1教室
岡山大学へのアクセスは岡電バスで。
●プログラム
--会--
日時 平成16年1月20日(土)13:00-17:30
会場 岡山大学文法経済学部棟1号館3-1教室
12:30- 受付開始(その他の準備等も開始)
13:00-14:20 テープ① 尾崎奈津氏
14:30-15:50 テープ② 井上敦子氏
16:00-17:30 テープ③ 石田久美子氏
17:30-17:40 事務連絡等
18:15前後- 懇親会
--懇親会--
日時 同日18:15前後-
会場 日本料理「温石」
会費 4000円~5000円程度(料理+飲み物)
**********************************************
会報告
参加者 12名
テープ①尾崎奈津氏
上-中 2(テスター)
上-下 2(テスター)、3(非テスター)
中-上 4(テスター)、1(非テスター)
非常に流暢に話せている部分と発話の質がかなり落ちる部分とが混在したテープで
あり、判定も上級と中級とに大きく分かれた。
上級としたテスターおよび非テスターからは、“テンス・アスペクトの管理が十分
できており、語彙も豊富である。段落も十分維持できているといってよいのではない
か。”といった意見が出た。一方、中級としたテスターおよび非テスターからは、
“映画のストーリー説明の部分で、動詞が辞書形の羅列になる、言いよどみが多くな
るなど、発話の質が極端に落ちる。段落を十分維持できているとは言いがたいのでは
ないか。”などの意見が出た。
以上のように判定が分かれた背景には、インタビューの不備があったのではないか
というのがテープ提供者の反省点であるが、これについては、突き上げで意見を求め
る際に、さらに反論をぶつけてみて、超級への突出がどの程度あるかを明確にするな
どの工夫が必要だったのではないかというコメントがあった。
テープ②井上敦子氏(coming soon)
●第4回目の報告
テープ②井上敦子
*判定結果 超級 上級―上 上級―中
テスター 0 7 1
わかば 1 1 0
もやし 1 3 0
判定理由
上―中 文が長く、論理性に欠ける。抽象的な問題を具体的に話している。(抽象的な話し方ができていない。)
上―上 質問に対してある程度まとまった段落で答えることができ、流暢さもあるが、文が長く、段落としての結束性に欠ける。
文法的ミスの量が多く超級とは言えない。
はっきりした形で仮説が言えていない。
ロールプレー①敬語の出来が不十分
ロールプレー②幼児への対応は全くできていない。
ロールプレー③インフォーマルな話し方が完全にはできていない。
⇒スピーチスタイルを変えることができない。
超級 幼児への対応は特にできていなくても超級と判断できる、と思って超級とした。
(※必要不可欠ではない。スピーチスタイルが変えられたらよい。)
インタビューの仕方
・ テスターの説明が不必要に長いところがあった。
・ 仮説が明確に言えるような質問をすべきだった。
・ 話が長いので、テスターが途中でさえぎってチェックをするための質問をすべきだった。
話し合いの中で出てきた問題
<理想的な話し方>
・ OPIの超級とはOPIが設定した理想的は話し方であり、必ずしも日本の社会で要求される「理想的な話し方」とは言えないかもしれない。
・ ネイティブだからといってOPIでいう「理想的な話し方」ができているとは限らない。現に
最近では大学でも「話し方」を訓練するための授業をするところがある。
<超級で要求されるレベル>
・ 超級で要求されるレベルについて「『教養ある母語話者』」が話すレベル」までを要求
しない、という確認があったとの報告があり、ベースラインの超級の条件を確認すべき
であるとの指摘がなされた。
テープ③石田久美子氏(coming soon)
ブラッシュアップセッション 1月17日 石田久美子 (愛媛学園)
被験者:フランス人女性、英語教師、在日26年、自然習得型
レイティング:
☆中―上 テスター2 わかば1、
☆中-中 テスター4 わかば1 もやし2
☆中-下 もやし2
☆初-上 テスター1
提出理由:正確さには問題があるが、日本語らしい表現も使いこなし、どんな話題にもそれなりに対応してしまう。自然習得型によく見られるタイプだが、タスクが達成されたとみなすかどうかでテスター間の評価が割れる場合がある。この点について話せるテープ。
単語レベルではなく文レベルで、発話量は多い。しかしほとんど上級レベルで維持が出来ていないだけと言うほどのものではない→中―中
以上。
2006年10月17日
第三回報告
●第3回目の報告
参加者の方々、お疲れさまでした。報告をアップします。
中四国在住以外の方も是非ご参加お待ちしております。
日 平成16年10月2日(土)
時 午後13時00分から17:30まで
場所 岡山大学大学院文化科学研究科系総合研究棟2F第二演習室
岡山大学へのアクセスは岡電バスで。
●プログラム
--会--
日時 平成16年10月2日(土)13:00-17:30
会場 岡山大学大学院文化科学研究科系総合研究棟2F演習室2
12:30- 受付開始(その他の準備等も開始)
13:00-14:20 テープ① 坂根ゆきえ氏
14:30-15:50 テープ② 堤 良一
16:00-17:00 テープ③ ①か②のもめた方を再度レイティング
17:00-17:30 資格の更新について
17:30-17:40 事務連絡等
18:15前後- 懇親会
--懇親会--
日時 同日18:15前後-
会場 日本料理「温石」
会費 4000円~5000円程度(料理+飲み物)
**********************************************
会報告
参加者 13名
テープ①坂根幸恵氏
〈テープ1 坂根幸恵(姫路YMCA日本語学校〉
*テープ提供の理由:話題が偏ったインタビューで判定できないテープであるが、
このテープの話者の可能性と、楽器トピックの提出の仕方について他のテスターの方の助言を請う。
*判定結果 ( テスタ- : 非テスタ- )
中-上(2:0) 中-中(4:3) 中-下(1:0) アンレイタブル(1:0)
*討論内容:
①全体的に突き上げのみでベースラインを確かめるタスクがなかった。(試験者が被験者のベースラインを高く予測し誤った結果だと思う。)
②話題が楽器や音楽に偏っていて判定しにくい。(特に楽器の話題は相手によってはかなり難しいレベルになるので、注意すべき)
③本被験者の場合は日常的なタスクを試みれば彼本来の能力が出せた可能性はあるだろう。
④意味のあるタスクをすべきだ。(本インタビューでなされた「三味線をケースから出して弾くまで」のような類のタスクはいつ使うの?試験者本意の質問である。)
⑤段落が全くと言っていいほど現れていなかったが、語彙が豊富であったし、身近な話題では接続詞や形式名詞、フィラーなどから流ちょうさが伺えた。
*最終結果:中-中
*本インタビューの課題
上部下線の回想のように、ベースラインを誤らないためには??→十分すぎるほどのウオームアップでベースラインを確かめるタスクを行う。(Y先生が以前おっしゃっていたような気がします)
以上
テープ②堤良一
上-上 3(テスター)、2(非)
上-中 6(テスター)
アンレイタブル 1(テスター)
レベルチェックに終始した感のあるテープだった。発表者の意図としては、上級のタスクが
十分できるということを、十分証明するためだったが、最初の数分の突き上げで、それは
十分証明できているというコメントがあった。
これに関して、「描写を求める質問」において、どれほどの答えを要求しているのかが
問題になった。例えば「沖縄の珊瑚」「ゴーヤチャンプル」を描写するという質問において、
何を答えれば上級なのか、マニュアル中の「詳細な」をどのように解釈するかを考えた。
別の問題として、テスターの相槌が早すぎて、データが不正確になっているとのコメントがあり、
これは重大な欠点であると痛感した。その解決法として、「えー」や「なるほど」「それで」などを
うまく使って、被験者に自由に話させる工夫をする必要があることを皆で確認した。
テープ①②のまとめ
今回のテープでは共に、テスターの質問の仕方が問題となった。適切な発話を引き出すために、
質問や相槌を工夫する必要があることを確認した。
また、「描写」をさせるタスクにおいて、どの程度の描写を期待してその質問を行っているのかを、
注意して行わないと、その質問で答えられる以上のものを期待したり、あるいはその質問自体が
無意味なものになってしまいかねないので注意を要する。
テスター資格更新について
坂根テスターより、テスターの更新方法について、氏の報告をふまえながら紹介があった。
以上。(文責:テープ①坂根幸恵、テープ②以降堤良一)
以上。
参加者の方々、お疲れさまでした。報告をアップします。
中四国在住以外の方も是非ご参加お待ちしております。
日 平成16年10月2日(土)
時 午後13時00分から17:30まで
場所 岡山大学大学院文化科学研究科系総合研究棟2F第二演習室
岡山大学へのアクセスは岡電バスで。
●プログラム
--会--
日時 平成16年10月2日(土)13:00-17:30
会場 岡山大学大学院文化科学研究科系総合研究棟2F演習室2
12:30- 受付開始(その他の準備等も開始)
13:00-14:20 テープ① 坂根ゆきえ氏
14:30-15:50 テープ② 堤 良一
16:00-17:00 テープ③ ①か②のもめた方を再度レイティング
17:00-17:30 資格の更新について
17:30-17:40 事務連絡等
18:15前後- 懇親会
--懇親会--
日時 同日18:15前後-
会場 日本料理「温石」
会費 4000円~5000円程度(料理+飲み物)
**********************************************
会報告
参加者 13名
テープ①坂根幸恵氏
〈テープ1 坂根幸恵(姫路YMCA日本語学校〉
*テープ提供の理由:話題が偏ったインタビューで判定できないテープであるが、
このテープの話者の可能性と、楽器トピックの提出の仕方について他のテスターの方の助言を請う。
*判定結果 ( テスタ- : 非テスタ- )
中-上(2:0) 中-中(4:3) 中-下(1:0) アンレイタブル(1:0)
*討論内容:
①全体的に突き上げのみでベースラインを確かめるタスクがなかった。(試験者が被験者のベースラインを高く予測し誤った結果だと思う。)
②話題が楽器や音楽に偏っていて判定しにくい。(特に楽器の話題は相手によってはかなり難しいレベルになるので、注意すべき)
③本被験者の場合は日常的なタスクを試みれば彼本来の能力が出せた可能性はあるだろう。
④意味のあるタスクをすべきだ。(本インタビューでなされた「三味線をケースから出して弾くまで」のような類のタスクはいつ使うの?試験者本意の質問である。)
⑤段落が全くと言っていいほど現れていなかったが、語彙が豊富であったし、身近な話題では接続詞や形式名詞、フィラーなどから流ちょうさが伺えた。
*最終結果:中-中
*本インタビューの課題
上部下線の回想のように、ベースラインを誤らないためには??→十分すぎるほどのウオームアップでベースラインを確かめるタスクを行う。(Y先生が以前おっしゃっていたような気がします)
以上
テープ②堤良一
上-上 3(テスター)、2(非)
上-中 6(テスター)
アンレイタブル 1(テスター)
レベルチェックに終始した感のあるテープだった。発表者の意図としては、上級のタスクが
十分できるということを、十分証明するためだったが、最初の数分の突き上げで、それは
十分証明できているというコメントがあった。
これに関して、「描写を求める質問」において、どれほどの答えを要求しているのかが
問題になった。例えば「沖縄の珊瑚」「ゴーヤチャンプル」を描写するという質問において、
何を答えれば上級なのか、マニュアル中の「詳細な」をどのように解釈するかを考えた。
別の問題として、テスターの相槌が早すぎて、データが不正確になっているとのコメントがあり、
これは重大な欠点であると痛感した。その解決法として、「えー」や「なるほど」「それで」などを
うまく使って、被験者に自由に話させる工夫をする必要があることを皆で確認した。
テープ①②のまとめ
今回のテープでは共に、テスターの質問の仕方が問題となった。適切な発話を引き出すために、
質問や相槌を工夫する必要があることを確認した。
また、「描写」をさせるタスクにおいて、どの程度の描写を期待してその質問を行っているのかを、
注意して行わないと、その質問で答えられる以上のものを期待したり、あるいはその質問自体が
無意味なものになってしまいかねないので注意を要する。
テスター資格更新について
坂根テスターより、テスターの更新方法について、氏の報告をふまえながら紹介があった。
以上。(文責:テープ①坂根幸恵、テープ②以降堤良一)
以上。
2006年10月17日
第二回報告
2回目の報告★総括
今回のテーマは「複数回聞けばテスターの間で評価が一致する方向に向かうか?」でした。
例会でよくトレーナーの先生から聞かれる「もう一回聞きたいですね」という言葉を、あえて実行してみました。
吉田先生のテープの選択も非常によく、1回目ではかなり割れましたが、二回目にはほとんど揺れの判定と
なりました。企画として非常に評判がよく、企画者としては胸をなで下ろしております。
今回、期せずして問題となったのが「被験者の性格」です。1本目のテープでは、かなり正確に話しているものの、
沈黙が多く、しかもそれが恐らくは母語でもこのようなスタイルなのだと分かる話者。判定はこの沈黙、つまり
自発性のなさをどう評価するかで割れました(下記参照)。
一方、2本目のテープの話者は、正確さはほとんどなく、文の質としては中-下程度であるのに、その性格が
故に多く話し、しかも談話構成能力が高く、結束性はほとんどないが一貫性に優れ、聞き手で話を再構築するのに
ほとんど負担がかからない、つまり、聞き手が「分かってしまう」話し方でした。
我々の話し合いとしては、中級から上級の下の方のレベルにおいては、性格が判定に影響することが
あるであろう、ということで落ち着きました。いずれにしても、判定の難しさを改めて実感した良い会になったと
思います。次回も、果敢に真新しい企画で会を開催し、例会に貢献できればと考えております。
では、詳細をどうぞ!
●日程
日時:平成16年6月5日(土)13:00-17:30(前回と同じ)
場所:岡山大学大学院文化科学研究科系総合研究棟2F第二演習室
●プログラム
13:00-14:20 テープ1(堤)
14:20-17:30 テープ2(吉田先生:長船日本語学校)
●懇親会:会終了後
場所:福寿司(岡山市奉還町)
*************************
●内容報告●
<テープ1>堤良一(岡山大学)
判定は中-上(3:1)、上-下(4:1)、上-中(1:1)、上-上(0:1)となった(テスター:非テスター)。
確認事項
・中-上か上-下かを判断する際、自発性がある程度考慮されるかもしれない。この学習者は、
自分からは積極的に話そうとせず、沈黙も長いが、多くのテスターがこれを、学習者が母語においても
もっているスタイルであると判断した。このような場合は、自発性のなさは「外国語を話す」という場合にのみ
起こるものではないので上-下と判断できる。
・文法は非常に正確で、ほとんどブレイクダウンを起こさないので上級である。
・アルバイトの話、サークルの話などではかなりうまく話しているがこれは「おはこ」ではないのかという
コメントがあった。しかし、これを「おはこ」と言ってしまうと、上級の基準である「身の回りのことが話せる」という
記述と矛盾を生じる。「おはこ」というのは、その表現をそのまま覚えてしまっているような場合であって、
この学習者の発話の場合には、発話は全て本人が生成したものであろうと判断できる。
最終判定:上-下
以上。
< テ-プ 2 > 提供者 吉田理恵 (長船日本語学院)
① テ-プ提供の理由
1) 正確さと自発性、コミュニケ-ション能力のバランスが極めて悪い場合の評価はどのように考えればよいのか。 2) 中級において要求される”正確さ”とはどのようなものか。
3) ”維持する”とはどういうことか。
② 判定結果 ( テスタ- : 非テスタ- )
* テ-プを2回聞き、それぞれのあとに評価し、その評価理由
について討論を行なった。
1回目 中-中( 5:1 ) 中-下( 2:2 ) 初-上( 1:1 )
2回目 中-中( 7:4 ) 中-下( 1:0 ) 初-上( 0:0 )
③ 討論内容
文法能力は低いながら、それがコミュニケ-ションを妨げておらず、 発話内容を理解できる。
特に、助詞の欠落や誤用がめだつもののそれにより意味を損なうことはほとんどない。
以上の事より中級としての正確さは維持できていると考えられる。
ロ-ルプレイにより、中級で要求されるサバイバル能力があることは充分証明できた。
”中-下の話者は一問一答型、中-中の話者は複数文で”ということであれば、この被験者の場合
明らかに後者と言える。
1回目に聞いたときは発話内容や違和感を感じる発話や印象的な誤用にばかり気をとられたが、
2回目は冷静に全体をとらえることができ、正しい運用ができているとこ ろにも注目できたため、
1回目より被験者に対する”正確さ”の評価がアップした。
2回聞き、間で討論の時間を持ったことにより、評価の統一が得られた。
④ 最終判定 : 中-中
以上
今回のテーマは「複数回聞けばテスターの間で評価が一致する方向に向かうか?」でした。
例会でよくトレーナーの先生から聞かれる「もう一回聞きたいですね」という言葉を、あえて実行してみました。
吉田先生のテープの選択も非常によく、1回目ではかなり割れましたが、二回目にはほとんど揺れの判定と
なりました。企画として非常に評判がよく、企画者としては胸をなで下ろしております。
今回、期せずして問題となったのが「被験者の性格」です。1本目のテープでは、かなり正確に話しているものの、
沈黙が多く、しかもそれが恐らくは母語でもこのようなスタイルなのだと分かる話者。判定はこの沈黙、つまり
自発性のなさをどう評価するかで割れました(下記参照)。
一方、2本目のテープの話者は、正確さはほとんどなく、文の質としては中-下程度であるのに、その性格が
故に多く話し、しかも談話構成能力が高く、結束性はほとんどないが一貫性に優れ、聞き手で話を再構築するのに
ほとんど負担がかからない、つまり、聞き手が「分かってしまう」話し方でした。
我々の話し合いとしては、中級から上級の下の方のレベルにおいては、性格が判定に影響することが
あるであろう、ということで落ち着きました。いずれにしても、判定の難しさを改めて実感した良い会になったと
思います。次回も、果敢に真新しい企画で会を開催し、例会に貢献できればと考えております。
では、詳細をどうぞ!
●日程
日時:平成16年6月5日(土)13:00-17:30(前回と同じ)
場所:岡山大学大学院文化科学研究科系総合研究棟2F第二演習室
●プログラム
13:00-14:20 テープ1(堤)
14:20-17:30 テープ2(吉田先生:長船日本語学校)
●懇親会:会終了後
場所:福寿司(岡山市奉還町)
*************************
●内容報告●
<テープ1>堤良一(岡山大学)
判定は中-上(3:1)、上-下(4:1)、上-中(1:1)、上-上(0:1)となった(テスター:非テスター)。
確認事項
・中-上か上-下かを判断する際、自発性がある程度考慮されるかもしれない。この学習者は、
自分からは積極的に話そうとせず、沈黙も長いが、多くのテスターがこれを、学習者が母語においても
もっているスタイルであると判断した。このような場合は、自発性のなさは「外国語を話す」という場合にのみ
起こるものではないので上-下と判断できる。
・文法は非常に正確で、ほとんどブレイクダウンを起こさないので上級である。
・アルバイトの話、サークルの話などではかなりうまく話しているがこれは「おはこ」ではないのかという
コメントがあった。しかし、これを「おはこ」と言ってしまうと、上級の基準である「身の回りのことが話せる」という
記述と矛盾を生じる。「おはこ」というのは、その表現をそのまま覚えてしまっているような場合であって、
この学習者の発話の場合には、発話は全て本人が生成したものであろうと判断できる。
最終判定:上-下
以上。
< テ-プ 2 > 提供者 吉田理恵 (長船日本語学院)
① テ-プ提供の理由
1) 正確さと自発性、コミュニケ-ション能力のバランスが極めて悪い場合の評価はどのように考えればよいのか。 2) 中級において要求される”正確さ”とはどのようなものか。
3) ”維持する”とはどういうことか。
② 判定結果 ( テスタ- : 非テスタ- )
* テ-プを2回聞き、それぞれのあとに評価し、その評価理由
について討論を行なった。
1回目 中-中( 5:1 ) 中-下( 2:2 ) 初-上( 1:1 )
2回目 中-中( 7:4 ) 中-下( 1:0 ) 初-上( 0:0 )
③ 討論内容
文法能力は低いながら、それがコミュニケ-ションを妨げておらず、 発話内容を理解できる。
特に、助詞の欠落や誤用がめだつもののそれにより意味を損なうことはほとんどない。
以上の事より中級としての正確さは維持できていると考えられる。
ロ-ルプレイにより、中級で要求されるサバイバル能力があることは充分証明できた。
”中-下の話者は一問一答型、中-中の話者は複数文で”ということであれば、この被験者の場合
明らかに後者と言える。
1回目に聞いたときは発話内容や違和感を感じる発話や印象的な誤用にばかり気をとられたが、
2回目は冷静に全体をとらえることができ、正しい運用ができているとこ ろにも注目できたため、
1回目より被験者に対する”正確さ”の評価がアップした。
2回聞き、間で討論の時間を持ったことにより、評価の統一が得られた。
④ 最終判定 : 中-中
以上
2006年10月17日
第一回報告
第一回中四国OPIテスターの集い(仮称)報告
●プログラム
--会--
日時 平成16年2月21日(土)13:00-17:30
会場 岡山大学大学院文化科学研究科系総合研究棟2F演習室5
12:30- 受付開始(その他の準備等も開始)
13:00-14:20 テープ① 麦田先生
14:30-15:50 テープ② 山根先生
16:00-17:20 テープ③ 堤
17:20-17:30 事務連絡等
18:15前後- 懇親会
--懇親会--
日時 同日18:15前後-
会場 日本料理「温石」
会費 5000円前後(料理+飲み物)
●内容報告
・今回は「フィードバック」について話し合うということを緩やかなテーマとして設定しました。
かなりレベルの高い話者に、どのようなフィードバックが可能なのか、どのようなフィードバックをされているのか、情報交換を行う場を持ちました。
************************************
★麦田先生 中-上と上-下で判定が揺れたが、最終的に中-上で一致した。
自分が話せる話題に関しては楽に喋っているような印象を受けたが、テスターの質問には必ずしも答えておらず、そのような質問にはところどころでブレイクダウンが見られた。そこで、判定材料としては、あくまで「テスターの意図した質問に答えている箇所」というのが基本であるということを再確認した。
最後に、麦田先生が普段から使用されているオリジナルのフィードバックシートを配布していただいた。時間の都合で検討することはできなかったが、メンバーには非常に参考になった。
★山根先生 中-中と上-下で意見が割れるという、珍しい判定結果となった。
テープ提供者とあと一名は中-上と判定した。これは最終的な判定は我々ですることは不可能なので、一度関西の例会に持っていきたいということになった。
割れた原因としては、比較的しっかり話す話者ではあるが、語彙が豊富ではない点などをどのように見るかが影響したようである。因みに、この話者は高校生であり、その点をどう考慮するかということも問題としてはあがったが、我々の議論の域を超えており、関西に持っていく時に問題にしてはどうかということになった。
さらに、石田会員から非テスターの参加者に向けて、このようにテスター間で判定が割れることに関しての説明があり、テスターは少なくとも二回はテープを聞いてレイティングを行うという説明がなされた。
★堤 超級ということで満場一致であった。堤の意図としては、フィードバックについて話し合う時間を多くとりたかったので、なるべく判定の揺れないテープを用意した。この話者はOPIをかなりこなしており、いわばOPI優等生と言えるが、あまりに機械的に答える印象があるとの意見が出た。これは半年ほど前に行ったインタビューのフィードバックにおいて、堤がある意味で「OPIで超級と判定されるためにはどうすればいいか」というようなフィードバックを行ったことがある程度影響しているのかもしれないが、そのようなフィードバックを行うべきかということも問題としてあがった。
さらに、超級への突き上げのバリエーションについて話し合った。「食の安全について」というテーマで、どのような話の展開が考えられるかについてのアイデアを交換した。
★以上、参加者からの感想は上々で、今後も続けていきたいと考えている。
次回は関西が6月第四週に決定したことをうけて、5月の中旬くらいが適当ではないかと考えている。
●プログラム
--会--
日時 平成16年2月21日(土)13:00-17:30
会場 岡山大学大学院文化科学研究科系総合研究棟2F演習室5
12:30- 受付開始(その他の準備等も開始)
13:00-14:20 テープ① 麦田先生
14:30-15:50 テープ② 山根先生
16:00-17:20 テープ③ 堤
17:20-17:30 事務連絡等
18:15前後- 懇親会
--懇親会--
日時 同日18:15前後-
会場 日本料理「温石」
会費 5000円前後(料理+飲み物)
●内容報告
・今回は「フィードバック」について話し合うということを緩やかなテーマとして設定しました。
かなりレベルの高い話者に、どのようなフィードバックが可能なのか、どのようなフィードバックをされているのか、情報交換を行う場を持ちました。
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★麦田先生 中-上と上-下で判定が揺れたが、最終的に中-上で一致した。
自分が話せる話題に関しては楽に喋っているような印象を受けたが、テスターの質問には必ずしも答えておらず、そのような質問にはところどころでブレイクダウンが見られた。そこで、判定材料としては、あくまで「テスターの意図した質問に答えている箇所」というのが基本であるということを再確認した。
最後に、麦田先生が普段から使用されているオリジナルのフィードバックシートを配布していただいた。時間の都合で検討することはできなかったが、メンバーには非常に参考になった。
★山根先生 中-中と上-下で意見が割れるという、珍しい判定結果となった。
テープ提供者とあと一名は中-上と判定した。これは最終的な判定は我々ですることは不可能なので、一度関西の例会に持っていきたいということになった。
割れた原因としては、比較的しっかり話す話者ではあるが、語彙が豊富ではない点などをどのように見るかが影響したようである。因みに、この話者は高校生であり、その点をどう考慮するかということも問題としてはあがったが、我々の議論の域を超えており、関西に持っていく時に問題にしてはどうかということになった。
さらに、石田会員から非テスターの参加者に向けて、このようにテスター間で判定が割れることに関しての説明があり、テスターは少なくとも二回はテープを聞いてレイティングを行うという説明がなされた。
★堤 超級ということで満場一致であった。堤の意図としては、フィードバックについて話し合う時間を多くとりたかったので、なるべく判定の揺れないテープを用意した。この話者はOPIをかなりこなしており、いわばOPI優等生と言えるが、あまりに機械的に答える印象があるとの意見が出た。これは半年ほど前に行ったインタビューのフィードバックにおいて、堤がある意味で「OPIで超級と判定されるためにはどうすればいいか」というようなフィードバックを行ったことがある程度影響しているのかもしれないが、そのようなフィードバックを行うべきかということも問題としてあがった。
さらに、超級への突き上げのバリエーションについて話し合った。「食の安全について」というテーマで、どのような話の展開が考えられるかについてのアイデアを交換した。
★以上、参加者からの感想は上々で、今後も続けていきたいと考えている。
次回は関西が6月第四週に決定したことをうけて、5月の中旬くらいが適当ではないかと考えている。

